贈与税の税率|生前贈与で相続税対策する場合の贈与税対策

贈与税の税率|生前贈与で相続税対策する場合の贈与税対策

 

贈与税の税率および贈与税の控除・非課税枠は、生前贈与で相続税対策するさいの重要な判断ポイントになります。
相続税の基礎控除額の引き下げと税率の引き上げがおこなわれたため、生前贈与が増えています。

 

贈与税対策をおこなうことは、相続税対策にも繋がります。
このページでは、贈与税の税率・速算表、贈与の種類、贈与税の控除・非課税枠を利用した贈与税対策・相続税対策について紹介しています。

 

相続税の基礎控除額

相続税の基礎控除額(非課税枠) = 3,000万円 + (600万円 x 法定相続人の数 )

 

相続税の速算表
課税標準 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
2億円以下 40% 1,700万円
3億円以下 45% 2,700万円
6億円以下 50% 4,200万円
6億円超 55% 7,200万円

 

相続税の課税対象者が増加

税制改正による影響は大きく、全国的に相続税の課税対象者が増えています
平成28年12月に国税庁が発表した「平成27年分の相続税の申告状況について」によると、平成27年中に亡くなった人のうちの8.0%が相続税の課税対象者となり、前年の4.4%から大きく増加しました。

 

中でも首都圏での増加率は高く、東京国税庁(管轄:千葉県 東京都 神奈川県 山梨県)の発表によると、相続税の課税対象者は12.7%にものぼり、前年の7.5%から5.2ポイントも上昇しました。

 

生前贈与で相続税対策

相続税は、遺産が多ければ多いほど税額が上がる累進課税方式を採用しています。
相続税額を抑えるためには、相続財産を減らすことが有効な対策となります。

 

そこで注目を集めているのが、生前贈与です。
生前贈与とは、生きているうちに子や孫などに無償で財産を与えることです。

 

相続を迎える前に、父母・祖父母世代が保有している財産を子・孫などの若い世代に移転することができ、財産をもらった子や孫は、資金を住宅購入や教育費などに充てることができます。

 

贈与税の税率

贈与税の税率

 

基礎控除後の課税価格 20歳以上の者が直系尊属から受けた贈与 一般の贈与
税率 控除額 税率 控除額
200万円以下 10% 10%
200万円超300万円以下 15% 10万円 15% 10万円
300万円超400万円以下 20% 25万円
400万円超600万円以下 20% 30万円 30% 65万円
600万円超1,000万円以下 30% 90万円 40% 125万円
1,000万円超1,500万円以下 40% 190万円 45% 175万円
1,500万円超3,000万円以下 45% 265万円 50% 250万円
3,000万円超4,500万円以下 50% 415万円 55% 400万円
4,500万円超 55% 640万円

 

贈与の種類と相続税対策

贈与の種類

 

生前贈与には、暦年贈与または相続時精算課税贈与のいずれかの方法があります。

 

暦年贈与

毎年一定額の贈与をおこなうことを暦年贈与といいます。
1月1日から12月31日までの1年間に受けた贈与額が110万円以下であれば、贈与税は非課税となります。

 

ただし、長年にわたって110万円以下の贈与を受けている場合は、まとまった金額の贈与とみなされ、贈与税がかかることがあります。

 

1年間の贈与税額が110万円を超えると、超える部分について10%から55%の税率で贈与税がかかります。
20歳以上の人が、父母や祖父母などの直系尊属から贈与を受けた場合は、適用される税率が有利になります。

 

相続時精算課税贈与

相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母・祖父母から、20歳以上の子・孫に贈与をおこなう場合、2,500万円までは贈与税が非課税になる制度です。
2,500万円を超える分には、一律20%の贈与税がかかります。

 

ただし、相続が発生した場合には、贈与を受けた金額が相続財産に加算されます。
贈与時に贈与税を支払った場合は、相続税から差し引かれます。

 

親世代から子世代への積極的な財産移転を目的とした制度であることから、相続財産を削減することはできません。
そのため、相続税対策を目的とする贈与は、暦年贈与で行われることが殆どですが、贈与税の控除・非課税枠を利用した節税は可能です。

 

贈与税の控除・非課税枠による相続税対策

 

贈与税には以下のような控除・非課税制度が設けられています。
これらを上手く使うことで贈与税対策できます。

 

贈与税の配偶者控除

婚姻期間が20年以上の配偶者に、自宅の建物・土地または自宅の取得資金を贈与した場合、2,000万円まで贈与税が非課税になります。

 

贈与税の住宅取得等資金贈与の非課税枠

20歳以上の子・孫が、父母・祖父母などの直系尊属から住宅取得資金の贈与を受けると、一定金額まで贈与税が非課税になります。
受贈者には所得制限が設けられており、贈与を受けた年の合計所得金額が 2,000 万円以下であることが条件です。

 

贈与税の教育資金の一括贈与の非課税枠

平成25年4月1日から平成31年3月31日までの間に、30歳未満の子・孫などが、父母・祖父母などの直系尊属から教育資金を一括贈与された場合、受贈者一人につき1,500万円(学校等以外に支払う場合は500万円)まで贈与税が非課税になります。
受贈者が30歳までに教育費として使いきれなかった場合には、贈与税がかかります。

 

贈与税の結婚・子育て資金一括贈与の非課税枠

平成27年4月1日から平成31年3月31日までの間に、20歳以上50歳未満の子・孫などが、父母・祖父母などの直系尊属から結婚・子育て資金を一括贈与された場合、受贈者一人につき1,000万円(結婚資金は300万円)まで贈与税が非課税になります。
受贈者が50歳までに結婚・子育て資金として使いきれなかった場合には、贈与税がかかります。
贈与者が死亡した場合には、残額は相続税の課税対象となります。

 

贈与税対策の基本は暦年贈与

贈与税対策の基本は暦年贈与

 

生前贈与の方法のなかで、もっとも一般的なものは暦年贈与です。
110万円以下の贈与であれば贈与税がかからず、申告も不要です。

 

生前贈与(暦年贈与)によって、どれだけの節税効果があるかを考えてみましょう。

 

相続財産・・・1億円
法定相続人・・配偶者 子ども2人
贈与財産・・・毎年120万円ずつ10年間贈与
受贈者・・・・子ども2人

 

生前贈与をおこなわない場合

相続財産 1億円
相続税の基礎控除額 4,800万円(3,000万円 + (600万円×3人))
課税遺産総額 5,200万円(1億円 - 4,800万円)
相続税の総額 630万円(配偶者 340万円 子ども145万円×2人)
納める相続税額※ 315万円(配偶者 0円 子ども157.5万円×2人)

※法定相続分どおりに相続、配偶者の税額軽減を適用。
※相続開始3年以内の生前贈与なし。

 

生前贈与をおこなう場合

相続財産 7,600万円
贈与財産 2,400万円
相続税の基礎控除額 4,800万円(3,000万円 + (600万円×3人))
課税遺産総額 2,800万円(7,600万円 - 4,800万円)
相続税の総額 300万円(配偶者 160万円 子ども70万円×2人)
納める相続税額※ 150万円(配偶者 0円 子ども75万円×2人)
贈与税額 20万円(1万円×10年間×2人)
税金合計 170万円(差額145万円)

※法定相続分どおりに相続、配偶者の税額軽減を適用。
※相続開始3年以内の生前贈与なし。

 

贈与税対策・相続対策の相談先は?

贈与税・相続対策の相談先は?

 

贈与税に関する手続きや申告は、自分でもおこなうことができますが、複雑な税務をひとりでこなすのは大変な作業です。
そのような場合に、手続きを代理でおこなうのが税理士です。

 

税理士には税理士法で定められた3つの独占業務があります。

 

税務代理
依頼者に代わって、税務署に確定申告などの書類を提出する
依頼者に代わって、税務署の調査に立ち会う

 

税務書類の作成
依頼者に代わって、税務署に提出する書類(確定申告書など)を作成する

 

税務相談
個別的な税金の計算に関する相談に応じること

 

 

全国各地で、相続・贈与の無料セミナーや無料相談が開催されていますが、税理士資格を持たない司法書士、社会保険労務士、ファイナンシャルプランナーなどに、個別の税務相談をすることはできません。

 

「具体的な相続税額を知りたい」、「申告書の作成を依頼したい」という場合には、税理士にお問い合わせください。

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